キノフィット(kinofit)を受けてきた
キノフィットとの出会いは2018年夏。
榎本牧場のジェラートを目当てに荒川サイクリングロードを葛西から北上して、前を走っている40代半ばくらいのZXRSに乗ったオジサマを抜いた時のことだった。
ここ1年は荒川サイクリングロードで誰かに抜かれることがなかったので、特に気にかけることもなく40km/h弱で走っていた。数キロ走って信号で止まると即座にそのオジサマから「速いね!」と話しかけられ、聞いてみるとずっと後ろに着いていたとのこと。
その後、同じく榎本牧場が目的地とのことだったので一緒に走ってみると、力感なく40km/h以上で走る。なんて人だと思ってバイクをみると「kinofit」と見慣れないステッカーが貼ってあった。
「kinofit」が気になり、帰ってググってみたらこのページに辿り着いた。
第一印象は「3万円か・・・。」そして「バーテープ変えたばかりだし、ツールドおきなわが終わってから行ってみるか」だった。
キノフィットを受けた結果、この時の選択が間違っていたことを思い知ることとなった。
キノフィット(kinofit)主宰者の木下さんとは
一言でいえば、ロードバイクのアジア王者である木下さんに自転車のポジション、体の使い方、日々意識すべきことを教えてもらえるというもの。詳細な経歴等はホームページで確認していただければと思う。
木下さん自身は22歳の時に選手を引退しているとのことだが、元々実力があったわけではなかったそうで、自転車を速く進ませるために日々色々考え、実践しながら実力を高めていったそうなので、きっと様々な引き出しをお持ちなのだろう。学生時代はいかに脚に負担がかからないように階段を登るかを意識して、それをヒルクライムでのペダリングに応用していたそう。強くなる人の思考って面白いなぁ。
フィッティングの内容
フィッティングはローラー台に乗せたバイクにまたがって実際にペダリングをしながらサドル、ハンドル、クリートの順番で調整してもらう。この時、分度器のような機材を使って「膝の角度は何度が理想で・・・」とかやることは一切なく、木下さんがペダリングを見て、各所を調整し、理想のペダリングができるようになるためのポジションを出していくというもの。
場所によっては数センチ、細かいところは数ミリ単位で調整して合わせていくのだが、公式があるわけではなく、木下さんは「自分でも分からない」とは言っていたものの、あれだけロジカルに突き詰めた話をされる方なので、きっと企業秘密なのだろう。
理想的なペダリングの要素として伺ったのは①トルクが全周に渡って一定にかかっていること、②3時の位置でもかかとが落ちずにペダルに力を加えられること。
動画を使って①と②について解説したい。
①についてはフィッティング前後で音を聞けばわかる。フィッティング前は踏み込むタイミングで音がなっており「ウィンウィンウィンウィン」と聞こえる。これがフィッティング後には「ウィーーーーー・・・・」という音に変わっている。
②は脚が3時の位置に来た時のかかとを見れば一目瞭然。
ペダリングが変わった感想は、
- 今まで2時くらいから進行方向に向けて力のベクトルが働いていたため、ふくらはぎに力がかかっていたのが完全に解消された。多分脚攣りの原因も解消された。
- 自然と脚が回転するが、今まで使っていなかった筋肉を使うからか、息が上がる。
- 「ケイデンス、あと30回転上げろ」ってこういうことか・・・。
ただ、力を入れると理想のペダリングから離れてしまうので、当分は軽いギアを使って身体に動きを覚えこませることが重要とのこと。
ちなみに、これだけ大きくペダリングが変わっているが、サドル・ハンドル・クリート位置を数ミリから数センチ変えたのみ・・・ハンドルはモノが変わってますがw
今まで使っていた3Tのハンドルよりもリーチが短くなり、自然とフトコロのスペースが作れるようになった。ハンドルの形状なんて意識したことなかったけど、これだけ変わることを実感してしまうと・・・(言い訳)
そして帰ったらなぜか嫁様に気づかれるくらい、エアロ効果ありそうなデザインです。
印象的だったこと
- とはいえ、右脚と左脚の柔軟性が違うので、いくらポジションを調整しても、今の状態では100%:100%になることはない。
⇒これに気づかせてもらえなかったら一生ポジション沼から脱出できなかったと思うと恐ろしい。 - 木下さんが22歳の若さで選手を引退なされた理由
⇒詳細は割愛するが、第一線まで昇り詰める人は競技以外のところにも応用できる考え方をお持ちなのだろうな、と非常に刺激を受け、勉強させていただいた。
結論
あの時に3万円をケチって、正しいか分からない練習を積み上げてしまった自分をぶん殴ってやりたい!
「この練習が実力を積み上げることに繋がっている」という自信を持って練習ができること、なにより自転車に乗りたいという気持ちが高まった意味で、非常に有意義な時間を過ごさせていただいた。
冬場は正しいペダリングを身体に染み込ませるため、距離と時間を積み重ねていきたい。