WATOPIA de バーチャルエベレスティング by 4本ローラー(2021年5月5日)
ゴールデンウィーク最終日の前日。
外出申請に微妙な反応をされたので、仕方なくローラーでも、いや、折角なのでやろうと思ってて先延ばしにしていたアレを・・・
ということで急遽、バーチャルエベレスティングを敢行することに。
エベレスティングとは
エベレスティングとは1回のライドで同じ道を登り降りして、エベレストと同じ8,848mの標高を獲得するチャレンジ。
ローラー+ZWIFTでのチャレンジも認められており、Alpe du zwiftという、1本の距離が約10km、約1,000mの標高を獲得できるコースを8.5本繰り返すことで達成となる。
先駆者の情報を収集しているとPWR3倍で登ると1時間ほどということで、グロスタイム12時間くらいで終わるのではないかと軽い感じで、朝食はコストコのクロワッサン2つとポカリスウェットを摂取して、午前7時にスタート。
前半戦1~3本目
ローラー台はお借りしているGT-Roller Q1.1、、いわゆる4本ローラーに勾配再現装置であるGT-eSlope-Qともちろんスマート化もされたフルオプションキット。
3本ローラーほどピーキーではないものの、集中していないとバランスを崩して落車をしかねないという緊張感がある。というか、数回バランスを崩して足をついた。
勾配や負荷の再現は、Zwift内の映像と実際の間隔がリンクすることによる没入感やいい意味でのリズムを作れるところが飽きを紛らわせてくれたような。そもそも10時間以上もローラーを漕いで飽きないことはありえないと思いますが。。
1本目を70分ちょっとで終え、思ったより脚が重く、3倍以上出すのが辛かったのもあり、当初想定より時間は掛かりそうだと思いながらも、2本目突入。
2本目を登り始めたが最期。普段このコースは1本に満たず中途半端に終わらせることが大半の私が2本目まで登ったログが残ると、「こいつ、何かやろうとしてあきらめたな?」と思われると疑念に駆られて2本目を終え、なし崩し的に3本目突入。
飲んだ分が全て汗で放出され、エアコンを付けててもサウナ状態でとにかく不快感がたまらない。。
今あきらめたら、この2本にかけた時間と疲労が消えてしまう、、と3本目に突入し、終わる頃にはもう後に引けなくなっていた。3本目も70分ちょい。
この時、時間は12時となっていた。あと6本。終わりがまったく見えないが後にも引けないという最凶最悪の状況。
中盤戦4~6本目
昼食にカップ焼きそばを摂り、補給食とドリンクを追加調達して13時頃から再開。
漕ぎ始めたらとにかく70~80分間、動画や野球中継を見ながら漕ぎ続ける。パワーは2.5倍~3倍。ひたすら時間が経つのを耐える、、、修行でしかない。
乗車中はポカリスウェットに加えてコーラや三ツ矢サイダーを摂取しながら、休憩では羊羹、どらやき、みたらし団子と甘いもののオンパレードだったが、後で考えたら塩気のあるものを用意すればよかったような。。胃腸は最後まで食べ物を受けつけていたが、後半戦で少しお腹に力が入らない感覚があったので、味を変えてでもカロリーを摂取してもよかったかもしれない。総消費カロリーは5,800キロカロリーだったので、恐らく収支はマイナス。
これまでの人生で経験してきた全てのスポーツにおける練習の中で最も精神的にきつい。とにかく終わりが見えない。
終盤戦7~8.5本目
たしか19時あたり、最早YPは完全枯渇していたが今さら何を取り返せるというのか。頂きを目前にしてYP如きを捨てられないで何を得られるのか。。。とにかくやり切るしかないとペダルを漕ぎ始めると80分近いワンセットがスタートする。長い。とにかく長い。。
途中でリタイアしたらださすぎるので、ツイッターなどに宣言せずに初めたが、孤独感は想像以上に堪えるものがあった。一般社会からしたら「エベレスト?自転車??ローラー???」と受け入れ拒絶どころか言ってる意味がそもそもわかりませんが、、?と反応をされることに、半日以上取り組んでいる。
ここまできたら意地で終わらせることだけが目標となっていた。
汗は出なくなり、水もほとんど飲まなくなりながら7、8本目を終えて、9本目の半分あたりでついに、、、
グロスタイム15時間のチャレンジが終わった。
レースやロングライド後のような達成感は無く、シャバに帰ってきたぜ的な、マイナスがゼロに戻ったような感覚しかなかった。
チャレンジしようと思ったきっかけは、著名なホビーレーサー達が非効率でわけのわからない練習の経験も役に立つとツイートしていたからだが、バーチャルエベレスティングは私にとってまさにその通りだった。
終わってみると、体重は62kgから59.9kgまで減少していた。が、翌日の反動食いで59.9kg→62.5kgまでリバウンドしていた。
今や輪界では数多の人々が達成しており、一般社会では理解され難いこのチャレンジ。ダイエット効果も達成感もなく、意義はよくわからないものの、きっと今後の人生でこれ以上に辛い経験は無いだろうという謎の自信にはなった。